遺品整理と祖父と自転車

祖父の遺品整理で僕は…

遺品整理をしてみた

遺品整理と祖父と自転車

まだ20代の頃、幼い頃、ずいぶん可愛がって貰った祖父が亡くなった。

動揺したまま帰郷したものの、葬式の準備をするうち、いつのまにか、悲しい気持ちが薄れていった。

そして、葬式も無事終わり、身内で遺品整理をする事になった。

遺産などは何も無かったので、比較的に穏やかに遺品整理は行われた。

僕も何か貰う事になり、辺りを見回した時、ふと、祖父が大事にしていた自転車が目に入った。

それは僕にとっても思い出の品だった。

いつも祖父が乗っていた自転車。

子供の頃、釣りに行く時、いつも後ろに乗せてくれた自転車。

爺ちゃんが氷屋の仕事に行く時、いつも乗っていた自転車。

大きな鯉を釣って、僕の家に届けてくれた時、得意そうに乗っていた自転車。

そんな事が次々に浮かんで来て、そこでようやく、爺ちゃんが本当に亡くなった事に思い当たり、もう会えないと言う実感が沸いてきて、どうしようもなく涙が出た。

最初、自転車そのものを貰いたかったのだが、自転車を東京にまで送るのは、大変だったので、結局、僕は、その自転車のベルだけを貰った。

今でも、その自転車のベルは、僕の部屋の、押入れのダンボール箱の中に爺ちゃんの思い出と共に眠っている。